【思考記録】99: 組織の不合理に悩むかたへ。『会社の老化は止められない―未来を開くための組織不可逆論』細谷功:著
『会社の老化は止められない―未来を開くための組織不可逆論』細谷功:著を読みました。
僕は、過去に数社の中小企業でも働き、現在は、いわゆる従業員規模でいえば大企業のWeb関連の部署に在籍しています。
そこで、中小企業とは違う大企業特有の生態を観察することができます。
例えば、以下のような事象です。
・やたらと定例会議が多い。
・稟議における承認ルートの多さ=意思決定の遅さ。
・目に見えない未来よりも、目に見えやすいリスクに敏感。
・部署ごとに縦割り意識のはびこったセクショナリズム。技術系 部署VS 制作系 部署。
・顧客志向より、社内都合。
・指数関数的に増加するコミュニケーションコスト。
・売り上げにつながらない管理コストの増加。
・ミッション、ビジョンの不在による『金』の目的化。
・外注化によるノウハウの欠如。
・従業員性悪説に基づく無駄なルール、コンプライアンス教育の増加。
・階層の細分化。
・減点主義。
などなど。
会社によって企業文化が全く異なるので、俯瞰して見ると実に興味深いです。
当初は、これら事象を、ぼんやりとした違和感として認識していました。
しかし『会社の老化は止められない―未来を開くための組織不可逆論』を読むと、これらの事象が明確に原因とともに記載されていました。
なるほど、これらの現象は老化が原因によるものだと認識でき、スッキリしました。
あらゆる問題も、まずは現状を正確に認識することが重要です。
これら現象を、どのように解決すべきか、対処法も書籍内には記載されていました。
構造を理解すると、変に憤ることもなく、冷静に俯瞰視点で対応することができます。
個人視点では、人材のイノベーターとアンチイノベーターの対比がわかりやすく、大企業病に感染してアンチイノベーター人材にならないようにしなければ!と思った次第。
もちろん、中小企業では経験できない案件規模や企業と関わることが出来るのが、大企業の強みでもあります。
老化した部分と、ここでしか経験できないことを意識しながら働いていくと、より成果を出しやすくなることでしょう。
大きな組織特有の理不尽に悩む方々に、オススメの書籍です。
それでは、また。