顧客を創造せよ 〜 柳井 正 『わがドラッカー流経営論』

先日見たテレビ番組から。



ユニクロの 柳井 正 氏が師と仰ぐのが、
経営学者の「ピーター・ドラッカー」。

柳井氏は、ドラッカーから経営の真髄を学び取ってきた。


柳井氏曰く、
「顧客の創造が基にある、ということを
本当に意識しない限り、ビジネスは始まらない」


柳井氏は、ドラッカーから学び取った経営の真髄を
どのようにビジネスの現場で実践していったのか。



ドラッカーの本を繰り返し読み、ペンで印をつけ、
気づいたことをメモ書きしていった。

 「業界のリーダーシップを取れるか」

 「Change or die (“変革”か“死”か)」



ファーストリテイリング 経営理念の第1条には、こうある。

「1.顧客の要望に応え、顧客を創造する経営」


ファンをいかにして作っていくか、が大事。

これは、お客様の、すでに現れている声だけを聞くのではない。

顧客の潜在需要に関して
「これなんじゃないか」と提示する。

このことが、ビジネスに付加価値を産むのである。



その代表例としてあげられるのが「ヒートテック」。

肌着としての「ババシャツ」から、
Tシャツでもあり、アウターでもあり、
もちろんインナーでもある「ヒートテック」への発想の進化。


あと、番組では取り上げられていなかったが、
吹石一恵栗山千明のCMも印象的だった
ブラトップ」。

2008年度は300万枚も売れ、類似品も多く出回った。

ブラトップにハマって、ユニクロのブラトップはもちろん、
色んなお店のブラトップを購入した人によると、
ユニクロのブラトップは、
デザイン・機能性ともに、類似品を上回る品質だという。

同じようなものでマネをしようとも、
価格・品質など、その本質部分では競争優位性を保っている。



柳井氏いわく、

「顧客以外の人がなぜ買わないのか、
 買ってもらうために何をしたらいいか。

 一枚買ってもらったら、その次も買ってもらうには
 何をしたらいいのか。」

これを考えていくことが、商売の本質であるとのこと。

ビジネスについては、やたらと複雑に考えがちだが、
商売の本質は、意外とシンプルなものかもしれない。



新規顧客をいかに開拓するか、
そして、既存顧客にいかにリピートしてもらうか。

ずっと関わってきた携帯公式サイトのビジネスは、
いかに月額会員を最大化していくか、というのが
目標だった。

特に、テレビ局の公式サイトでは、
新規顧客は非常に多いのだが、退会率も非常に高い。

継続会員を増やしていくために、
いかに「ファン」をつくっていくか。

常に考えてきたことが、
改めて言語化されてテレビから流れてくると、
体に染み渡るように、言葉が入ってきた。



理論と実践、これを両輪で回していくことの
重要性を、あらためて感じた番組だった。



出典は、こちらです。

NHK教育「知る楽:仕事学のすすめ
柳井 正 『わがドラッカー流経営論』
第1回 顧客を創造せよ

http://www.nhk.or.jp/shiruraku/thu/contents/0906.html


▼番組テキスト

仕事学のすすめ 2009年6-7月 (NHK知る楽/木)
柳井 正
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4 必見・必読の本
5 よくまとまっていて読む価値有り
4 ドラッカー理論が要領よくまとまっている



詳しくは、こちらにも。

ユニクロ柳井社長が語るドラッカー「顧客の創造」

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090601/156938/