「全脳思考」神田昌典 を読む

神田 昌典 氏の約7年ぶりの本格的ビジネス書と聞き、
すぐに注文。


「全脳思考」


タイトルも、なんて秀逸なんだろう。


読みながら、気持ちがワクワクして、
ページをめくる指が止まらなかった。


気になったフレーズを、パソコンで打ち込み、
ノートを開いてペンを持ち、実際に課題を試してみた。


分厚い本だが、あっという間に読み終わった。


読みながら、興奮した気持ちを止められず、
頭の中を、いろんな考えがグルグルめぐった。


第1章から、どんどんと読み進めるにつれて、
点と点が線でつながって、明確な流れとなって
目の前にあらわれていく感じ。


時代のさなかにいると、わかりにくいことが、
明確に言葉として提示され、顕在化されていく。


気になったフレーズを、少しだけ以下に紹介。
これ以外にも、これからの時代を生きていくための
金言が459ページの中にぎっしりと詰まっている。

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P28
■時代の底流では、
 「情報社会」から「知識社会」への
 急速な転換が起こっている。


P28
■情報社会とは、
 情報を収集・整理することが付加価値となる社会


■知識社会とは、
 収集・整理された情報から生み出された
 新しい気づき・アイデアを実際に、
 行動に移すことが付加価値となる社会


P31
■クリエイティブ・クラスが増えると同時に、
 「情報仲介」のインフラではなく、
 「知識創造」のインフラができるようになる。


■知識創造のインフラを使って、
 知識の相乗効果が絶え間なく起こるようになる。


P39
■今階層を問わずすべてのビジネスパーソンに期待されているのは、
 積極性を持って、日常仕事の中から本質的な課題・問題を見いだし、
 新たな価値を生む創造的な提案・解決を行っていくことだ。


P50
■つまり知識社会では、市場を奪うための「競合戦略」より、
 市場自体をつくり出す「需要創造戦略」、
 そしてまたライバルから「市場シェア」を奪うことより、
 自社のことを顧客からどれだけ考えてもらえるかという
 「顧客マインド・シェア」を確保することが重要になってきているのだ。


P60
■知識社会において、新しい需要を創造するためには、
 多様な立場から発せられた情報を事業モデルの開発に
 直結させ、コンスタントに活用していくことが重要だ。


P90〜
■事業成長のための、五つの新原則
1.指名検索
2.検索を促すネーミング
3.自己投影型消費を支える物語
4.物語にスムーズに入り込める導線
5.サブエピソードを共有する場


P143
■結果の違いは、種が降りてくるかどうかではなく、
 準備を整えているかどうかで決まるのだ。


P231
ジャック・ウェルチを第一人者たらしめたのは、
 ほかのビジネスパーソンが気づかなかった物語の重要性に気づき、
 物語を語る能力を持っていたことである。


P234
■物語とは何か?
 「ありふれた日常」⇒「非日常」⇒「新しい日常」


P240
■物語の効果
 ・記憶しやすいこと
 ・伝えやすいこと


P249
■自分の行動は自分で決定しているという思い込みを手放すと、
 ビジネスパーソンは重要なスキルを身につけられるようになる。
 あたかも舞台の上を、一段上から眺めるような上位の思考が
 できるようになるのだ。
 自分が演じながらも、監督として一段上から舞台を眺められる。
 これは優れたリーダーの視点と同じだ。


P249
■優秀なリーダーの資質のひとつは、プロジェクトの進行にとって
 影響のある出来事を事前に把握し、適切なタイミングで舵の調整を
 行うことである。


P277
■行動するロジカル思考のポイント
 1.理解されること
 2.納得されること
 3.応援されること


P412
■瞬間を表現する


P415
■力を持つのは言葉ではなく、言葉の裏にある背景である


P457
■あなたがなすべきことは、
 目の前の仕事を通して、
 あなた自身、
 そして、
 周りの人々に、愛を注ぎはじめることである。

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以上が、思わず書き留めたくなった、
フレーズの、ほんのさわりである。


この本の核は、
タイトルに「全脳思考」とあり、
本の帯に
「カリスマ経営コンサルタント
10年間を凝縮した、
思考テクニックをついに公開!」
とあるとおり、現実の課題をクリアするために
いかに発想して、そして行動に移して、現実を変えていくか、
その思考方法が神田昌典氏によって
詳細に語られているところにある。


この核となる部分は、ぜひ本書を手に取って
確かめてほしい部分だ。


「あとで読む」という行動を取るのではなく、
2009年の今だからこそ、読了しておきたい一冊。


全脳思考
神田 昌典
ダイヤモンド社 (2009-06-12)
売り上げランキング: 7


※全脳思考モデル・クイックバージョン【第4章】が
 神田昌典氏によって動画解説されていました。
 ご参考までに。
 全脳思考 特設サイト